行列やベクトルの方程式を解く際には、解が存在する場合と解が存在しない場合があります。この記事では、行列とベクトルの方程式において解が存在しない場合の判定条件を解説します。解が存在しない場合の条件を理解することは、問題の特性を把握し、適切な解法を選択する上で重要です。
定理
A を n 変数の線形連立方程式の拡張行列とする。
B を A に行同値な既約行階段行列とする。
このとき、考えている連立方程式が解なしになる 必要十分な条件は B の n + 1 番目の列がピボッ ト列になることである。
これが定理です。
上で B の n + 1 番目の列がピボット列になるとは、
連立方程式を簡単にしていったときに最後の方程式が 0 = 1 となることに相当します。
具体例
この拡張行列を、既約階段行列にすると、
であり、
これは最後の列がピボット列になることを示しています。
したがって、この連立方程式は解を持たないと言えるのです。
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